2006年10月09日

外断熱工法

内断熱工法 vs 外断熱工法

先日までは内断熱について論じてきましたが、
本日は現在日本でもじょじょに浸透してきました
『外断熱工法』についてお話しします。

外断熱とは、基礎から壁、屋根まで建物全体を外側から包むように断熱する方法のことです。

住宅をを断熱するとき、これまで採用していたのは内断熱という方法。
(昨日までお話しをしていた工法のことです。)

これは、グラスウール・セルロースファイバーなどの断熱材を
外壁と内壁の間の壁空洞に、柱と柱の間に埋め込むように入れることです。
現在の日本の住宅のほとんどはこの内断熱を採用しています。

それに対し、外断熱は壁空洞を残したまま、
柱の外側に板状の断熱材を途切れることなく施工するところが大きく異なります。

内断熱より隙間はできにくくなるため、
高断熱・高気密化をはかれること、結露防止効果を期待できることなどが
外断熱工法のメリットといえます。

室内と建物の温度がほぼ同じになり、
壁内結露の発生を抑制することができます。

デメリットとしては、断熱材を使用する面積が大きくなるため
内断熱に比べ割高になることや、
住宅の外壁が内断熱の場合より厚くなる点が上げられます。



では、外断熱と内断熱どちらが良いのでしょうか??

まずはC値でそれぞれを比べてみます。

C値とは、
床面積1平米当たりの隙間面積を数値化した気密性能を示す値。
小さい数値ほど隙間がないことを示します。

外断熱…C値は2平方センチ程度
内断熱…C値は8平方センチ程度
(素材により異なります。)

断熱性能や気密性能を数値の観点でみると、外断熱が優れています。

しかし前述の通り、外断熱工法は導入コストが高かったり
高気密・高断熱が故に、しっかりとした通気計画が必要だったりもします。

また数値面からの断熱方法の良し悪しは一概にはいえません。
北海道などの寒冷地では外断熱は有効に働いても、
本州では過剰装備になる恐れもあります。

また前日までにお話ししたとおり、
日本は高温多湿の国であることを思い起こしてみましょう。

断熱は防湿とセットに考えられてこそ機能が発揮されます。

断熱方法を選択するのではなく、防湿をどのように捉えるかが大切になります。

「外断熱」か「内断熱」かは優劣の比較ではなく、
建築の予算や建設する地域に見合わせて総合的に判断すること、
また建築業者がしっかりと『断熱工法』を研究していることが重要です。  


Posted by miwa at 09:19Comments(289)外断熱